
[前回の続き]
BAD MANは私を身代わりに取ると、中心海へのルートが示された海図をフック線長に要求し、奪った。
私は線長に悪い事をしたという思いで胸がいっぱいでいた。
(線長、ゴメン)
謝ってすむとは思わなかったが、どうしたらいいのか分からなかった。
「何がだ?」
(自分のせいで、BAD MANに海図取られた。もう中心海に行けなくなった)
「フン、取られただと?笑わせるな」
そう言うと、線長は口の中からさっき渡したはずの海図を取り出した。
(・・・え?)
「海賊を生まれたときからやってる。あんなのは朝起きたら便所に行くくらい当然のことのように起こる。屁でもねー。渡したのはニセモノさ」
線長は不敵に笑うと、口を開け中を見せてくれた。
中にはたくさんのニセの海図が所狭しと並べてあった。
(これが、海賊なんだ・・・)思わず感心してしまった。
(・・・でも、海賊船がないよ)
「小僧は飲み込みがあんまり良くないなぁ。奪われた海賊船もニセモノさ。」
(ど、どういうこと???)
「まぁ、見てな」線長は海に向かって不思議な呼びかけを行なった。
「レーロ!レロレロレーロ!」
・・・・・・・
すると、この呼びかけに呼応するかのように海の遥か沖合いから『ガメラと舟』が上陸して来た。
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