
黒鳥は、『黒人の子』をくわえて飛んでいました。
(あの子をどうするんだろう?)
「奴隷としてこき使うのさ」
と、突然足元にいた「カニおじさん」(5/3)の背中の口がパクパクと動きました。
「そして、ボロぞうきんのように働かされて心が憎しみや苦しみでいっぱいになった時、黒鳥は食べてしまうのさ」
(そんな・・・)
「何だ、ここじゃ、当たり前のことだろうが!」カニおじさんは少しムッとしました。
「黒鳥は憎しみや苦しみを食べれば食べるほど強く大きくなっていくんだよ」
(・・・ここって?・・・どこ?)
「釣った魚」(5/4)はそれがおかしかったのか、平べったい体をバッタンバッタンと波打たせ笑いました。
「お前は誰だ?どこから来た?」カニおじさんは怪しむように見ました。
(私は・・・私は・・・誰だ?)