
「全てはここから」に飲み込まれて、現実からこの世界<ディメイション>にやって来た。
そのために記憶を失くし自分がどこの誰なのかわからなくなった。
<ディメイション>では、現実の肉体はゆっくりとではあるが変化してゆく。何になるかは誰にもわからない。
カニおじさんと釣った魚は「もうすぐ満潮が終わるから」といって、あわてて海へ戻っていった。
一人残された。
一人になった。
(どうしよう・・・)
不安でたまらず、泣きそうになった。
(どうしたらいいのか。わからない。現実にもどりたいのか?それもわからない)
こうしているだけでも<ディメイション>にいるため何かに変化していってる。
体を動かしていないと不安だ。そうだ、高い所からこの世界を一望しよう。
『上へ、上へ』 向かうことにした。