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「錯綜する木々」

錯綜する木々

「全てはここから」に飲み込まれて、現実からこの世界<ディメイション>にやって来た。
そのために記憶を失くし自分がどこの誰なのかわからなくなった。
<ディメイション>では、現実の肉体はゆっくりとではあるが変化してゆく。何になるかは誰にもわからない。


[前回の続き]
次に目を開けた時、もう「風と雨にうたれる女」は見えなかった。そしてそこは雲の中ではなく、たくさんの高い不思議な木が生い茂るところだった


(どこだろうここは?)  


痛む体を無理に起こしてあたりを見わたしていると、


「あーー、そのままそのまま、体を動かさない。君、重症だろう、そのままそのまま」
どこからともなく歌うような吟じるような声が聞こえてきた


「ここは『錯綜する木々』の森さ」


(誰?「風と雨にうたれる女」)


「んーー、残念、ちがう。彼女に会ったのかい?そんなワケないか、彼女に会って生きている人なんていないもん」


(会ったよ・・・雲の中で)


・・・
近くの草むらがガサゴソと動揺したようにゆれた。しばらくして、
人影がおそるおそる姿を現した。












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