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「記号の集まる原野」

原野の中に溶け込む記号

[前回の続き]
光の遺伝子(過去の全てのマンボーの意識の集合体=集合マンボー)の不思議な力によって、ようやくマンボーの体から元の体に戻った。
そして、フック線長のことを思い出した。最高の秘宝が眠る中心海へ向かっているフック線長を追って、私は海岸線まで戻ろうとした。
そんな私に集合マンボーは、助けてくれたお礼に、私の右手にレーザー光で「流れの文様」を刻んだ。「泳ぐときに使うといい」らしい。

右手に刻まれた流れの文様も気になるが、フック線長のことも気になる。
(これ、ありがとう。マンボーダンスもリリーと踊れて嬉しかったし、いろいろあったけど、マンボーになって楽しかった。でも、そろそろ帰れないと、線長が心配していると思う。)
名残惜しかったが、集合マンボーに別れの挨拶をした
「そうか。こちらも世話になった。・・・リリーが変わりたいそうだ。しばし待て」

そう言って、集合マンボーがリリーに代わろうと、光の文様の輝きが弱まった時、
「すばらしい。実にすばらしい」
背後から大きな貝殻が、ギュルギュルと回転しながら迫ってきた。

「光の遺伝子よ、その圧倒的な力。想像をはるかに超える光の力。ボスであるオレでさえ見ていて、惚れ惚れするほどすばらしかった」
回転する大きな貝殻は私達の方に近づいてきて、ようやく止まった。
そして、中からその醜いカタツムリの姿を現すと、一枚の謎の紙を取り出して見せた。

「これが何だかわかるか?過去の全てのマンボー意識の集合体であるお前なら、どこかで見たことがあるだろう?」
集合マンボーは、ボスが手にしている謎の紙を見た。
すると、突然怯えだした

「まさか、プロトコルランデブー!?・・・『記号の集まる原野』に入ったというのか??」
「そう、そのまさかだ!あの御方がそこに入って手にしてきたのだ。そしてこれは、例えどんなものでも無機質な情報へと変換してしまう何とも怖ろしいシロモノだ」
動揺したのだろうか、集合マンボーの体から発する光が輝きを失ってゆく。

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