
[前回の続き]
「それは、決してありえん!!」
突然、集合マンボーはカタツムリであるボスを怒鳴りつけた。
「遠くから見ることはできても、その体が記号でなければ入ることは不可能な『記号の集まる原野』に入って、プロトコルランデブーを取ってくるなど!」
「特別な変化体を持つあの御方が、それをなされたのだ。そして今、あの御方は光の遺伝子を求められている。光栄に思うがいい」
そう言うや、カタツムリのボスはプロトコルランデブーを、集合マンボーにかざして何か唱え始めた。
「1,2,3,5,7,11・・・」
「うううっ、」
苦しみだした集合マンボーの体の一部に『亀裂』が走り黄金色に輝く、光のフィルムに変化して行く。
「その数と1以外で割り切れない数字、素数。生命を無機質な情報に変換するのにこれほど、相性のいいものはない」
光のフィルムには過去に誕生し、生きてきたマンボーたちの歴史が、走馬灯のように映し出されている。
「17,19,23、・・・マンボーの歴史はここで終わる」
「このままじゃ、リリーの体が、光の遺伝子が、無機質な情報になって、奪われてしまう」
ボスが数を数えるごとに、リリーの体がどんどん光のフィルムに変化してゆく。
「そうはさせん!!」
集合マンボーは残る力をふりしぼる様に、再び光の文様を輝かせ始めた。
「光の遺伝子は、全てのマンボーにとって希望の光。誰にも奪われはせん!」
そして再び、その光の文様から大量の光を出すと、カタツムリのボスめがけて放った。