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「チューリップ」

チューリップ

[前回の続き]
「お前ごとき、このオレの貝殻で弾き飛ばしてやるわ」
挑みかかる私を返り討ちにするため、ボスは貝殻を激しく回転させ、逆に私の方に向かってきた。
(マンボーの時と同じにするな!)
迫ってくるボスの回転する貝殻めがけて、溶岩のように熱くなった手でカウンターパンチを放つ。

「バカめ!この回転する貝殻にそんなパンチが効くものか」
(たとえどんなに早く回転するコマでも触れて大丈夫な一点がある。それはその中心なんだ)
ボスの回転する貝殻のその中心めがけて放ったカウンターパンチが、ものの見事に当たった。
ミシミシと嫌な音とともに貝殻にヒビが入り、そのヒビから貝殻が溶岩のようにドロドロと溶ける。
貝殻の回転の速度がどんどん落ちてゆく。

「お前・・・長い時をかけて作ってきた、このオレの大事な貝殻を、よくも」
(マンボーたちの光の遺伝子だって、同じじゃないか!それを・・・よくも・・リリーの体ごと・・・)
悔しいのか悲しいのか、涙があふれてきて、声が震える。

「マンボーごときとオレを同じにするな!熱っち、熱っち」
ボスは貝殻の回転を完全に停止させると、溶岩のような熱さで溶ける貝殻の中から慌てて飛び出してきた。
その姿は、貝殻の中にいつも身を隠しているせいか、ヒョロヒョロとしたもやしの様だった。
「おぼえてろよ、お前!オレをこんな目にあわせてただですむと思うなよ!」

そういい残すと、そのもやしのように細い体のどこに力があるのか、まるで弾丸のような勢いで逃げ出した。
(あっ、待て!)
追いかけようとした時にはもう遅く、その姿はどこにも見えなくなっていた。

しかし、しばらくするとボスはバツが悪そうな顔をして戻ってきた。
そして、こちらに軽く会釈をよこすと、熱く溶けてゆく貝殻の中にもう一度細い体を入れて、光の遺伝子の情報である光の玉を取り出してきた。
しかし、今度は残念ながら私に取り押さえられたのだった。

リリーが情報となってしまった光の玉を取り返すと、リリーを想って『チューリップ』の花を、私は心の中でひそかにささげた。

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