
[前回の続き]
リリーを情報化し光の玉に変えたカタツムリのボスにいろいろ聴きたい事があった。
しかし、ボスはなかなか話そうとしない。そこへタイミングよくフック線長がやってきた。
線長は広い海の中で私を見つけるのに、さぞ苦労しただろう。だが、もとはと言えば線長がこの世界に来て間もない私に泳がせたのがいけなかったんだ。
そのために、私はマンボーになって大変な事に巻き込まれたのだ。
だから、これからは線長にもいろいろ手伝ってもらうつもりだ。
「ん?こいつがか?」
フック線長は目の前に摘み上げたカタツムリのボスを疑わしそうにジロジロと眺め回した。
「だったら何だ!あの御方に一発お見舞いしてやるだと、訂正しろ!すぐ訂正しろ、そうすれば許してやってもいいぞ」
イヤらしい笑みを浮かべて、ボスはフック線長にも大きな口をきく。
「許してやるだと!ふざけるのもいい加減にしろ!!」
摘み上げていたボスを地面に思いっきり叩きつけると、線長は懐から取り出した『柔らかい銃』をボスの口の中に突っ込んだ。
「モガモガモガ」
「マンボーたちから光の遺伝子を奪ったヤツは、お前だな!なのに何だそのふざけた態度は!?オラ様が来たからには、お前の命はオラ様次第。オラ様にウソついたり、聞かれてもないことをペラペラしゃべったりしたら、この銃で・・・ズドンだ。これからは一語一語気をつけて話せよ」
そう言うと、線長はボスの口の中からゆっくりと銃を抜いた。
「うーーー、よくもやってくれたな。オレにこんなことをして、ただで・・」
線長の脅しを、どうせハッタリだろうと思ったボスは、線長を逆に脅しにかかろうとした。だが、
「ズドン!!」
線長の構えた銃口から煙が立ちのぼっている。
その煙の先には眉間を打ち抜かれて、大仏のようになったボスが倒れていた。
「ペラペラしゃべるな。と、言ったはずだ!オラ様を、いや海賊を見誤ったな」
(せ、せ、線長!!ど、どうして本当に撃っちゃうんだよ!ボスが死んだらもうリリーは一生、光の玉の中に閉じ込められたままだ!!)
「フン、小僧は甘い!手ぬるくやるから、相手は図に乗るんだ。だが、心配するな。この銃は普通の銃とは違って、命を奪うシロモノじゃねー。まぁ、見てな」
線長はそう言うと、銃を懐にしまった。