
[前回の続き]
マンボーが口でしきりにつつく私の右手には、集合マンボーが光の玉に変えられる直前に私の右手に刻んでくれた流れの文様があった。
(そうか!!この流れの文様を使って泳げと言っているんだ)
「何だそりゃ、流れの文様?ふーん、変わったイレズミだなー」
(イレズミじゃないよ)
私の右手に刻まれた流れの文様を不思議そうに見つめるフック線長をよそに、私は右手に刻まれてある流れの文様に思いを込めた。
すると、流れの文様はその思いに反応を起こした。
目には見えない海の中を流れる潮の流れが、突如はっきりと見えるようになった。
広い海の中にある無数の潮の流れは、まるで複雑に入り乱れ交錯する道路のようにはっきり見ることができた。
その中の一つの潮の流れに体を預けて泳いでみた。
すると、海の中を滑るようなすごい勢いで泳ぐことができた。
(まるで、ウォータスライダーに乗ってるようだ!)
「ほう!すごいじゃねーか小僧。オラ様とはぐれた短期間で・・・たいしたもんだ」
線長はすごい勢いで泳ぐ私に驚いているようだった。しかし、
「よし、じゃあオラ様と勝負だ!!」
線長はそう言うと、線長のそばで休んでいたガメラに乗った。そして、私の前にやって来た。
「いいか、今からオラ様がこのガメラに乗って逃げるから、捕まえてみろ。もし、オラ様を捕まえることができたら、小僧を一人前とみなして、オラ様と共にX(エックス)の所に行くのを認めよう。
だが、オラ様を捕まえることができなかったら、小僧は小僧だ。X(エックス)の所に行くことは断じて認めない!いいな」
(わかった。じゃあ、線長逃げて、こっちが追いかけるから。さぁ、海の中の『鬼ごっこ』の開始だ!)