
[前回の続き]
流れの文様に思いを込めることで、海の中を流れる潮の流れがハッキリ見えた。
その潮の流れに乗ると、すごい速さで泳ぐことができて驚いた。
そして、ガメラに乗ったフック線長と鬼ごっこが始まった。
「言っとくが、オラ様を捕まえるのは大変だぞ」
線長の乗るガメラの大きな4本の足が一斉にしなったかと思うと、あっという間に50mほど先にいた。
「さぁ小僧、来い!」
(よーし、あの自信満々の線長の鼻をへし折ってやる!!)
私は何だか今までにないくらい気持ちが『ヒートアップ』していた。
おそらく、線長にいつも「小僧!」「小僧!」と言われて、いつか見返してやりたい、という気持ちがどこかにあったのだろう。
怨念に近いくらいの強い思いを右手にある流れの文様に込めた。
海の中を流れる潮の流れがハッキリ見える。線長の向かった方の潮の流れを見つけ、それに体を預けて泳ぐ。
すると、すごいスピードで滑るように泳ぐことができる。
その勢いで先を行く線長の後を追いかける。
(絶対捕まえてやる!そして、線長に一人前だと認めさせてやる!)
私の泳ぐスピードは潮の流れに乗ってどんどん上がってゆく。
線長の乗るガメラの泳ぐ速さにも負けないくらいだ。
(待てー、コラ線長!もうすぐ捕まえてやる!!)
やる気がモリモリ湧いてくる。そして、スピードも上がる。
「ため口とはいい度胸だ。しかし、オラ様が誰だか忘れたか?海賊だぞ!フック線長だぞ!七つの大海を治め、最高の秘法を手にしようとする男だぞ!そう簡単に捕まるかよ」